アジアンな絨毯ギャッベの魅力とは?
ギャッベとは
ペルシャとは現在のイランのこと。そこで古代文明時代から作られている伝統的な絨毯のことをペルシャ絨毯といいます。材料としては主に羊毛が使われてきました。カラフルな模様は縦糸と横糸の交点に着色した色を結び、それをはさみで切るという工程を何度も繰り返して作られます。ペルシャを旅し続けてきた遊牧民たちが産んだペルシャ絨毯、幾何学的なデザインは部族ごとでまったく装いが違うとか。個性豊かで美しい模様、それこそが手織り絨毯の世界シェア3/4を占めるペルシャ絨毯が世界中から愛される理由なのです。
ペルシャ絨毯はイラン各地で生産されています。たとえばイランの首都テヘランから南に120kmに位置するクム、現在ではゴムと呼ばれるその地域で生産されるペルシャ絨毯は羊毛ではなく絹糸を使うのが特徴で、日本への輸出量が最大の生産地です。ペルシャ絨毯最大の生産地であるタブリーズは色の種類が多い羊毛で作られるのが特徴です。今回ご紹介するギャッベは、イランの南西部地域シラーズ州にてカシュガイ族などの遊牧民にとって作られるペルシャ絨毯です。
ギャッベとは織が荒いことや毛足が長いことを意味するペルシャ語です。共に生活する羊の毛を自生する草木を用いて草木染めを行い、それを手織りして作られているものを言います。デザインは自然をモチーフとしているのが特徴です。遊牧民たちの生活の場である砂漠や人間やヤギやヒツジなどから発想を得た紋様を並べて絨毯が作られています。自然をモチーフとした素朴なデザイン、そして一つ一つ丁寧に紡がれることでギャッベは世界中から愛されるようになったといえるでしょう。そして日本でも多くの方がこの絨毯を愛用しています。
どのような製法なのか
ペルシャ絨毯はシルク(絹糸)かウール(羊毛)で作られます。まずはそれらの糸を紡ぐことから絨毯作りは始まります。羊の場合、ペルシャ絨毯の作り手である遊牧民と一緒に旅をしている場合が多いので容易に材料を集めることが出来ます。次に、その糸を染めるという作業があります。ペルシャ絨毯を鮮やかにするのはこうして染められた糸であるからです。糸を紡いだら豊富な色に染められたその糸たちを織っていくという作業があります。
糸を作るのと同じくらい大切なのがデザインです。どんなモチーフを絨毯に描いていくのかを決めるのはとても大切な作業です。そして、そのデザインをもとにいよいよ絨毯が作られ始めます。染められた糸を絨毯にするためには織るという工程が必要です。このときカギとなるのが縦糸。デザイン通りの美しい絨毯にするためには縦糸をしっかりと張る必要があるのです。しっかりと張った縦糸に色のついた糸を一つ一つ丁寧に結んでいきます。すると、あのように鮮やかな絨毯ができあがるのです。
それではギャッベは他のペルシャ絨毯とどのように製法が違うのでしょうか。実は大きな違いはあまりありません。しかし、この絨毯が持つ独特の色合いはやはり秘訣があるのです。それは草木染めです。一つ一つ結び目を織ることで色が付けられるペルシャ絨毯です。これには糸に染める材料として身の回りにある草木を使用したのです。草木染めによる優しい色合いは老若男女、さまざまな人に愛されています。家庭用として今では幅広く流通しています。
絨毯の種類について
みなさんのご家庭には絨毯はあるでしょうか?まずは置く場所から考えてみましょう。玄関を彩るための玄関マットやソファーの前のちょっとしたオシャレならば小さめのカーリシュをおすすめします。一方、ソファーの下に敷くものやリビング全体を覆う絨毯をお求めであれば大きめのカーリがおすすめです。大きさを決めたらインテリアと合うような色を選びましょう。ペルシャ絨毯は一枚一枚模様が異なるためきっとお部屋に会う絨毯が見つかるはずです。
せっかく買った絨毯は末永く使いたいもの。そんなときに考えたいのが絨毯の材質です。ペルシャ絨毯の材質はシルク(絹糸)とウール(羊毛)の二種類があります。シルクはウールよりも細かい模様を織ることが出来ます。光沢があり、とても美しいデザインです。しかし、シルクはとても繊細な素材です。摩擦などの力がかかってしまうと傷ついてしまいます。人が多く通りるようであればウール、飾りに重きを置きたいのであればシルクを選択するなど工夫をするとより長持ちします。
では、ギャッベの種類にはどんなものがあるのでしょうか。ギャッベは他のペルシャ絨毯と比べて淡い模様を描いています。それはギャッベを染める際にどうしてもムラが出てしまうからです。しかし、そのムラは逆に温かいデザインとなり人気を博しています。また、ギャッベの材料となる羊毛は山岳地帯に生息する羊を使用しています。厳しい自然を生きた羊の毛は耐久性や保温性に優れているなど絨毯としては最高の素材を使っています。そのため、家庭で使われる絨毯としても人気があり、愛用されている方は少なくありません。
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