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ギャッベの織り方を知っていますか

ギャッベという織物をご存じでしょうか。

ギャッベは、山岳遊牧民族であるカシュガイ族の女性が手織りをしている敷物の事です。

織り糸も自らが飼育する羊から採り、近くで自生している植物で染色したとても素朴な物が多いのが特徴です。

自分達が採取した羊毛を染色した後は、これもまた手作業で糸を縒っていきます。

糸が出来上がって、やっと織りに入っていくのです。



しかし、日本でいう織機とは違い平で地面に直接置き少しずつゆっくりと織っていく織り方です。

織り方としては縦糸が2本になっており、間に横糸を通します。

その後、引っ張りだし縦糸に横糸を結びカットする。という手法で編んでいきます。



大きな物になると、数人で何か月も掛けて織り上げる事になります。

気の遠くなるような手間を経て編み上がった敷物なのです。

この織り方は誰かに教わると言う訳ではなく、子供の頃から母親の織っている姿を見て覚える物なのです。

ギャッベは、そういう形で代々自然と編み方を母から子へと伝承して伝えている敷物なのです。



さてギャッベの特徴は、独特な絵柄にあります。

この絵柄も、特別に決まった物が有るわけでなく目で見たままを素朴な柄として織り上げていきます。

きっちりとした構図でなく、素朴な柄がギャッベなのです。



敷物が出来上がると、ここから仕上げ作業に入る訳です。

織り上げたままで出荷する事は有りません。

織り上げた後は、遊び毛も多くそれを取り除く目的で大型バーナーで表面を焼く処理をします。

これによって表面の糸の解れも無くなり、硬くなる事で丈夫な表面が出来上がるのです。



バーナーであぶれば、自然に焦げ目も付きますし汚れる物です。

その後、検品に回され専門の鑑定士によってギャッベの基準を満たしているか点検されます。

その検査を無事通った物だけが、出荷の準備としてクリーニングされます。

もちろん絨毯を洗う事の出来る専門職人の手によって施されるのです。



洗浄後は、人工的な乾燥は入れる事は有りません。

産地の乾燥した空気と、太陽によって専用に確保された屋外でゆっくりと乾燥させていきます。



綺麗に乾ききった所で、最終仕上げです。

薄く表面を削っていく専用の機械で、毛の長さを一定に揃える様な形で刈り込んでいくのです。

シャーリングと呼ばれるこの作業を経て、毛の長さが一定になります。

結果的に綺麗に柄が浮き出て、美しさに磨きが掛けられて仕上げられるのです。



最後の最後に、自然乾燥させた際に歪んでしまった絨毯を手直しをします。

洋服に例えれば、アイロンを掛ける作業です。

湿度の高い部屋に持っていき、形を整えて終了です。

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