パキスタン絨毯にはどんな特徴があるのか
ペルシャ絨毯をベースにしたもの
絨毯と聞けば多くの人がペルシャ産のものをイメージするでしょう。しかし実はペルシャ以外にもいろいろな地域で製造されています。その中の一つに文字通りパキスタンで作られているパキスタン絨毯があります。パキスタン産のもののルーツは今からおよそ500年前に遡ります。当時パキスタンはムガール帝国が支配していました。この帝国を治めていたアクバル大帝という人は、イスファハンから織匠を招きました。そして王宮用の敷物を作らせたのが最初といわれています。そのため基本的なデザインはペルシャ産のものの意匠を引き継いでいることが特徴です。
またパキスタンはインドから分離独立した歴史があります。その流れにより近代のカーペットの製造を見てみると、インドの製法に近いところもあります。インドの織物工場で活動していたパキスタンの織職人は、分離独立をきっかけにして故郷に戻りました。そしてその技術を持ち込んだことで、インドのカーペットの製造手法も取り入れられました。よってインドで主に生産されているシルク絨毯に近い触感や質感を持っている商品も少なからず見られます。
実用的な絨毯であることも特徴
パキスタン絨毯にはいくつか代表的なデザインのものがあります。その中でも有名なのがボハラ柄とジャルダン柄の2種類です。ボハラ柄は要所要所に楕円形の続き柄があしらわれています。一方ジャルダン柄の場合は、ひし形の続き柄があしらわれていることが特徴的です。画像でデザインをチェックして、自分の部屋に使えそうかどうかチェックをしてみましょう。
ペルシャ絨毯はただの敷物という括りでは片づけられない商品も少なくありません。高価なカーペットも多数存在し、敷物ではなく観賞用として購入する人もいます。また裕福な購買層を中心に、コレクションとして買い求めるパターンもあります。そのため、一種の芸術品として扱われることも多くなっています。
このようなペルシャ産のものと比較すると、パキスタン産のものはより実用的な敷物といえます。例えば高ノット密度に作られているため、耐久性に優れています。長く愛用できるような絨毯を探しているのであれば、有力な選択肢になってくるでしょう。
耐久性に優れているだけでなく、見た目の美しさにも定評があります。近年の商品を見てみると、オーストラリアの羊毛やニュージーランド産のメリノウールを用いているものが多数あります。そして縦糸には綿を使っている商品も見られます。このため適度な艶や光沢性が得られます。メリノウールはスーツにも用いられているので、その質感はよく似ています。ペルシャ絨毯というと、重厚感のある印象を持っている人も多いでしょう。このカーペットと比較すると、パキスタン絨毯の方が軽量です。よって部屋の模様替えをする際に他のところへ敷物を持っていく時にもさほど苦労することがありません。弾力性にも優れていますので、さまざまな用途で活用できるでしょう。
ペルシャ絨毯に興味があっても、実際に購入するのは躊躇するという人もいるでしょう。どうしても高額な商品が多く、一般の人が買い求めるにはちょっと経済的な負担が大きくなることもあります。パキスタン絨毯の場合、安いものであれば数万円単位で購入できるような商品も出ています。一般的にサイズが大きくなると値段も上がる正比例の関係にあるので、このサイズなら大体このくらいという見当が付きやすくなります。
デザイン的にも優れものの商品が多い
ペルシャ絨毯を画像やショールームなどで見かけたことがあるという人もいるでしょう。デザイン的に美しい仕上がりの反面、ちょっと個性が強いかなと思う人もたくさんいます。自分の部屋に採り入れるとほかのインテリアから浮いてしまうのではないかと懸念する人も少なくありません。パキスタン絨毯はペルシャ絨毯と比較すると、それほど自己主張は強くないことが特徴です。そのため、どのような部屋の中に採り入れても、コーディネートで困ることはあまりないでしょう。
例えばインテリアとの相性もなかなか良いです。モダンな家具はもちろんのこと、少しクラシックなスタイルのインテリアアイテムとも個性を互いに打ち消しあうことなくうまくレイアウトできます。また和風の家具であっても、パキスタンの絨毯を取り入れることでオリエンタルな雰囲気が高まります。押しはあまり強くはありませんが、さりげなくおしゃれな感じに部屋を仕上げてくれます。このアイテムが一つあるだけで、部屋の印象を大きく変えられるでしょう。
パキスタン絨毯は赤をベースにしたものが多くあります。赤という強烈な色を基本にすると、部屋を選ぶのではないかと思うこともあるでしょう。しかし実際にコーデ例を見てみるとわかりますが、どのような部屋でもしっくりくる不思議な魅力があります。外国、特にオリエンタルなムードの部屋に手軽にしたければ、パキスタン絨毯を採り入れてみるのがおすすめです。