ペルシャ絨毯のシルクとウールの違いについて

ペルシャ絨毯の基礎知識
ペルシャ絨毯は高価で普段なかなか買う機会が無いかもしれませんが、一度手にするとその丈夫で美しく繊細なデザインに魅せられるでしょう。ペルシャ絨毯は、その起源は正確には分かりませんが、だいたい今から3000年から4000年前くらいからあっただろうと言われています。太古の頃の絨毯は、残念ながら現存していません。美術館などで私たちが現在目にする絨毯は19世紀のイランで作られたものが多いです。
また、美しいデザインも特徴です。実際手にするとその繊細で精密な織り模様に心を動かされる方も多いでしょう。ペルシャ絨毯を作る最初の工程で、このデザインを描きます。その後糸を縒り、染色していきます。そこから織っていきます。ホコリや無駄な毛を取り除くために洗浄し、乾燥させます。一枚を織るのに大変な時間と手間がかかっているため、高価になってくることも納得できます。
今では機械で織ったものもありますが、手織りとは耐久性が違います。見た目で判断することは難しいので、専門家に聞いてみましょう。手織りは大変な手間がかかりますので、単価は当然上がります。極端に安いペルシャ絨毯は機械織りの可能性が高いので、注意が必要です。また、機械織りと手織りは結び方が違います。機械織りは裏を糊で止めているだけなのですが、手織りは縦糸を結びつけて、それをさらに横糸で固定しています。大量生産が可能な機械織りに比べて、長い月日を掛けて作る手織りは、一枚一枚にかける労力が機械の比ではありません。手間暇掛けた分は、絨毯の耐久性にそのまま反映されているのです。
ペルシャ絨毯の素材、シルクとウールの違いについて
ペルシャ絨毯の素材は大きく分けて二つあります。それは、シルクとウールです。シルクとウールのペルシャ絨毯はそれぞれどのような活用方法があり、特徴があるのでしょうか。
まず、シルクです。日本では馴染みのある絹ですが、ペルシャ絨毯の素材としても活用されています。シルクは繊細でデリケートな光沢が美しい繊維です。摩擦に弱いため、玄関など人が良く行き来する場所にはあまり適していません。あまり人が行き来しないところという視点で考えると、玄関ではなく、客室や書斎向きであるといえます。シルクは、美しく発色します。客室は普段人の通りもなく、お客様に美しい絨毯がある空間で過ごしていただきたいので、このような空間ではシルクは最適です。
それに対してウールはシルクに比べて摩擦に強いため、リビングなど人が集まるところに置くといいでしょう。家族が集まるリビングに華をそえるのに適しているのがウール素材です。また、ウールの繊維は室内を快適に保ってくれる役割もあります。特に日本は梅雨があります。梅雨の時期は室内の湿気の除去には頭を悩ませますが、ウールの絨毯は湿気を吸収する役割もあり、じめじめ解消には一役買っているのです。冬場の寒さを和らげるだけではなく、夏はエアコンの冷気を吸収します。ウールのこのように優れた性質は絨毯にはぴったりだと分かります。
また、ウールとシルクを織り交ぜて作られたものもあります。それぞれの特長を活かしています。総合的に考えると、素材は比較検討の一つの有益な情報ではありますが、あくまでも一つの情報にすぎないので、デザインを含め総合的にどれにするのかを判断するのがいいでしょう。
ペルシャ絨毯を買おう
絨毯やカーテンといった面積が大きいものは、一旦変えてみると家の印象ががらりと変わります。特にペルシャ絨毯を敷くと、その空間は一気に華やぎ、豊かな印象になります。今よりワンランク上の住空間を手に入れるのでしたら、ペルシャ絨毯はおすすめです。
そんなペルシャ絨毯ですが、今ではインターネットでも買うことができます。インターネットで購入するメリットは、美しいデザインを見比べ、家にいながらあれこれと比較検討することができることです。便利なのはインターネットですが、実際に買うときは一度は店舗に行くといいでしょう。素材によって手触りが違ったり、色合いや目で見たときの印象も実際に見てみるのとパソコンの画面上では異なることも多いです。風合いや印象は、必ずしも画面と一致するわけではありません。店内に行くと、店舗でしか扱っていない掘り出し物やセール品が在るかもしれません。すべての情報がインターネットの中で完結するわけではありませんので、一度は店舗に行って実際に手に取ってみることをおすすめします。
自分がよく知らない分野の買い物ですと、そのお店の販売員の知識が大いに役に立ちます。ペルシャ絨毯は、普段接する機会が少ないものなので専門的な知識をもった販売員の意見やアドバイスは聞いてみるといいでしょう。実際に購入するのが当初思っていたものと違った場合もあるかもしれません。勿論店舗で実際に手にしてみて、購入はインターネットを使う方法もメジャーです。現代はリアルとインターネットの融合の時代なので、どちらの特性も上手に活用するのが賢い買い物のコツです。
