ギャッベはイラン、ザクロス山脈を遊牧するカシュカイ族が織る羊毛を使った手織りの絨毯です。素朴なデザインや不ぞろいのサイズなど人間味あふれたこの絨毯は今では世界中に需要が拡大しています。
夏はさらっと涼しく冬はぽかぽか暖かく一年を通して使えるこの絨毯は羊の油分を含んでいるので汚れをはじき、織りが細かいのでごみが中まで入っていかず、普段のお手入れは掃除機だけで大丈夫です。
ウール100パーセント、自然の草木を使った100セント天然の染料での草木染めなのでアレルギーを持っている方や皮膚が弱い方、子供にも安心安全の絨毯です。
カシュガイ族の女性は結婚するとき自分で織り上げたギャッベを2、3本嫁入り道具として持って行きます。新しい家族と共に築いていく生活が幸せであるようにと願う気持ちがギャッベの柄の中には織り込まれているのです。そのほかにもお祝いや厄除けなど特別なときに織られる想いがこもった絨毯なのです。
その図柄にはすべて意味があります。鹿は家族円満を表すモチーフです。生命の木は長寿や健康を願うモチーフです。幸せの窓は幸せを呼び込み邪悪なものを防ぐモチーフです。鳥は神様からの使者のモチーフです。ライオンは深い知恵や富、力にめぐられるように願うモチーフです。羊や山羊は不自由ない暮らしを願うモチーフです。女性たちの願いや夢がこめられているのです。旦那さんの成功や出世を願うものもあります。
ギャッベの端のほうには全体の図柄と少し違った模様が入っていることがあります。それは織った織り子さんのサインです。それを探すのもギャッベ選びの楽しみの一つです。
設計図もなくすべて手織りのギャッベを家族のしあわせを願いながら家事の合間に少しずつ遊牧民女性たちは織っていきます。織りあがったものは家族の住むテントの床となるのです。その複雑な図案は母から娘へと技術と共に伝えられてきたものです。大量生産ではないため値段は少し高めです。しかしながら耐久性に優れるこの絨毯は100年以上使い続けることができます。一世代とは言わず親から子、孫の代まで使い続けることができると考えると決して高すぎるものではありません。高価だからと遠慮しながら使うよりもしっかりと踏み続けたほうがやわらかくなり、更に魅力的な肌触りに変化していくのです。
手作業だからこそ1つとして同じ品はありません。柄にこめられた想いも読み取りながら自分だけのお気に入りの一枚を探し出しましょう。
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