ギャッベは遊牧民の生活の中で培われた絨毯であり、その生活に耐える丈夫さと機能性を持ち、中でも生活に彩を与える美しい絵柄や紋様が、世界的な人気を支える要素の1つになっています。それぞれの絵柄や紋様には織り手の思いを込めた意味があり、長寿や健康を願う木の絵、愛情を表現する人間の絵等、繊細な感性から生み出されるアートとしても高く評価されるポイントです。ギャッベのアートとしての特徴は、大きく分けて3つがあります。
1つ目は、遊牧生活が育む独特の感性から産まれる絵柄や紋様です。一般的な絨毯、あるいはペルシャ絨毯とは違った独特の暖かみのある雰囲気は、敷いた室内を柔らかく落ち着きのある空間に変えてくれます。1枚として同じデザインは無いと言われるほどデザインが多様であり、草木染めの自然な風合いで染められた高品質な羊毛と相まって、独特の存在感を生み出しています。それぞれに個性があり目立ちますが、屋内で出しゃばる事無く馴染んでくれる絨毯です。
2つ目は、即興でデザインが決まる事です。ギャッベには有名な絵柄や紋様として、家族が長寿で健康でいられるように願う生命の木や、家族が円満に暮らせるように願う鹿等がありますが、これらは絨毯に織り込まれる紋様の、ほんの一部に過ぎません。実物を見比べていくとわかるように、その絵柄や紋様は非常に多様です。全体を規格通りに作る製品ではなく、織り手の感性によってその場の即興で作られていくのは、ギャッベならではの魅力と言えるでしょう。
3つ目は、羊毛の絨毯ならではの表現です。キャンバスと絵の具で描くアートは世界中に数多くありますが、高品質な羊毛を使って、昔ながらの草木染めを使い、絨毯で繊細な絵柄や紋様を描けるアーティストはそう多くありません。描かれる内容はオリジナリティがあり、暖かみのある優しい雰囲気を持っています。実用品でありながら、アーティストのような独特の感性で作られ、希少性をも持っている事も、ギャッベが高く評価されるポイントの1つでしょう。
ギャッベの持つアーティスティックな魅力は、今では世界中に高く評価されています。遊牧民の製作する昔ながらの絨毯と聞くと、いかにも素朴で簡素なものを想像するかもしれません。しかし、実際の絨毯を多く目にしていく内に、織り手の感性が非常に鋭く、そして繊細である事に気が付いていくはずです。夏は涼しく冬は暖かい等の機能性に注目して興味を持った方も、選ぶ内にその表情豊かな絵柄や紋様の魅力に虜となっていくでしょう。
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