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ペルシャ絨毯の魅力


※取り扱っている商品ではなく、イメージ画像です。

ペルシャ絨毯とは?


ペルシャ絨毯とはイラク周辺で生産されている絨毯のことです。

ペルシャ絨毯はペルシャ文化の中でも代表的な美術品のひとつで、その起源は紀元前の古代ペルシャになります。一言にペルシャ絨毯といってもペルシャ絨毯はデザイン、形状、品質、産地によって区分けされます。

形状については3つに分類されて、6×4 フィートを超えるサイズのカーリ、6×4 フィート以下のカーリシュ、そして遊牧民の絨毯として知られているゲリームがあります。なおジルという種類もありますが、これはゲリームの一種になります。

イラク周辺は古代文明でも知られており、さらに時代ごとにいろいろな王朝が支配してきた地域です。そして時代に併せてペルシャ絨毯も変化してきています。

イラク周辺で手織り絨毯が登場したのは紀元前550年~紀元前330年の間に栄えていたアケメネス朝ペルシャという古代オリエントの王朝です。古代文明のパジリク遺跡の中から2500年前の手織りの絨毯が発見されています。ペルシャ絨毯が歴史の中で初めて記録の中に登場したのは紀元224年~651年に栄えたサーサーン朝ペルシャの頃です。サーサーン朝ペルシャはイラン高原およびメソポタミアを支配した帝国として歴史の授業などで習った覚えがある人もいるでしょう。

その後、イラン周辺は7世紀にイスラム教圏となり、さらに様々な王朝が入れ替わり立ち代わりに支配していきます。その間も絨毯の生産は途絶えることはなく続けられてきましたが、13世紀にモンゴル帝国がペルシャに侵攻してきたことにより絨毯の生産は衰えてしまいます。しかし、モンゴル帝国を構成する地方政権、継承政権へと時代が移って行く中で絨毯の生産が再開され、再び発展していきます。

絨毯の材料


ペルシャ絨毯の魅力はなんといっても美術品でありながら、実用的でもあることです。使えば使うほど味わいが出てくる絨毯は大きくわけてウール(羊毛)で作られたものとシルク(絹)で作られたものがあります。

ウールで作られた絨毯は地域によっては山羊やラクダ、ヤクといった動物の毛を利用するところもあります。ウールは温暖な土地で育った羊よりも厳しい土地で育った羊の方が毛の品質がよく、生後6~12カ月の子羊からとたウールは特に耐久性に優れています。また、最高級のウールはホラサン地方のものといわれており、弾力性に富んでいることが特徴です。そのホラサン地方のウールの中でも生後8カ月から14カ月のラムの毛は最高級のウールで、コルクウールといわれています。

絨毯はウールだけでなくシルクでも作られます。材料となるシルクは、温暖な気候のカスピ海沿岸のマザンダラン地方や中北部イラン、カーシャン地方といった地域で生産されています。シルクを使った絨毯は打込みがよくてウールに比べて軽量でしなやかなのが特徴です。なおシルクはパイル以外に縦糸、横糸にも使用されます。美術品として価値の高い絨毯の場合、イラク周辺地域のシルク生産地のものが使用されていますが、一般で使用されている普及品の絨毯については、中国から輸入されたシルクが使用されています。

絨毯にはウールやシルク以外にもコットン(木綿)が絨毯の生地や縦糸、横糸に使用されています。コットンは近年品種改良によって良質なものが生産されるようになっており、絨毯にも使用されるようになっています。特に縦糸の場合、ウールを使うよりもコットンを使った方がゆがんだりすることがないため、良い絨毯ができあがります。

絨毯の区分


ペルシャ絨毯にはサイズやデザインなどによって区分があります。デザインの区分はおおまかに、絨毯の中心に大きな文様のメダリオンがデザインされたメダリオン、メダリオンと共に四隅に統一模様がデザインされたメダリオンコーナー、メダリオンがなく、総柄のオーバーオール、幾何学模様のジオメトリック、モスクのような文様がデザインされているメヘラブ、景色などがデザインされているピクチャがあります。しかし絨毯の中にはデザインで区分できないものもあり、様々なデザインものがあります。

ペルシャ絨毯は、現在のイラク周辺で生産されていますが、有名な産地などがあり、産地ごとに特徴があります。たとえば産地のひとつであるクムは、日本への輸出量がもっとも多い産地です。クムで作られる絨毯は、60年前にラジャビアン工房という工房がシルクを使った絨毯を制作したのをきっかけに、シルクを使った絨毯を制作するようになっています。

タブリーズはイランで絨毯の生産をもっとも多く行っているところです。タブリーズで作られる絨毯はシルクが使われることもありますが、主にウールを材料とする絨毯が作られています。タブリーズで作られる絨毯は、絨毯のデザインに特徴があり、赤、白、茶、黒といった色がよく使われてデザインされます。

赤系の色を使って絨毯をデザインすることが多いのがイスファハンです。歴史のある有名な工房があり、縦糸にシルクを使い、横糸にウールを使った絨毯を制作しています。その他にも、一般的に使用する普及品を専門に生産しているところもあり、絨毯の生産は地域ごとに特徴があります。

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